2017.10.

「子育て」

 行きつけの美容院に行きました。なんだか忙しそう。気がついたら いつもいる美容師さんがいない。 「〇〇さんはお休みなの?」「そうなんです。彼はさっきまでいたんですけど、こどもが 40 度超える熱 が出て、病院の付き添いで退社したんですよ」。そうです。お父さんなんです。しかも3人の男の子の。 入院でお母さんが付き添えば、後の 2 人の面倒はお父さんの係。そう言いながら、他のスタッフがなん となく嬉しそうにしています。若い人ばかりのこの職場では互いに支え合える関係があることは素晴らしい。

 母が入院していた病院でも、夕方 6 時過ぎに訪ねて行く私とすれ違うように走っていく若い男の人や 女の人。みんな病院内にある保育所に子供をお迎えに。駐車場から見える保育所には明るい電気がつき 保育士さんが片手に赤ちゃんを抱っこ、もう片方では飛び跳ねる男の子の手をしっかり握り何か話しか けています。「あの音、▲▲くんのお母さんかもね」って言ってるのかもしれません。3歳位の男の子と 手を繋いで、大きな荷物を持って車に急ぐお母さん看護師さんにすれ違いました。「大変ね!今から帰っ てご飯作ったり?ご苦労様」と言う私に笑顔で「ありがとうございます。でも、申し訳ないんですけど、 1日入院されている方の側にいて、その後、こんな元気に走り回る子どもの顔見ると、ホッと一息つけ るんです。また明日も頑張れますよ。」って言われました。

 2015 年から「子ども・子育て支援新制度」がスタートし、待機児童ゼロにと保育園を増やしたりして います。が、人間の子どもを 1 人育てるということは大変なことです。親、特に母親の働き方、労働環 境の整備、周囲の支援は、心のゆとりに繋がっているのに、今はまだバラバラです。

 緊張したり、リラックスしたり、頑張ったり、力を抜いたりしながら、自由で暖かい暮らしにならな いとね。美容院から出たら夕暮れ。すれ違う人が何故かみな俯いてスマホをいじっています。忙しいん ですね!オレンジ色に染まった一瞬の夕空、見上げてくださいよ!




横山眞佐子













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