2020.10.



旭が宇部の催しで駄菓子屋を出店しました。というのも私がこの催しのお手伝いをしていて会場が元銀行だったことから、お金について考える良い機会になればと思い彼に声を掛けました。旭は唐戸市場の菓子問屋さんにお願いして売れ筋商品や卸価格を教えてもらい、私が出資した一万円の予算に応じて客層を考慮した商品を選び、仕入れ、出店までの準備を進めました。総売上げの?%が彼のお小遣いになる事を伝えると、この小学生店主が顔色を変えたことは言うに及ばず。現金なものです。店名は「おかしな駄菓子屋」。同じく催しに出店したこどもの広場の軒先をお借りして、
ガムやラムネ、スナック菓子におもちゃなど昔懐かしい駄菓子24種類を陳列。画用紙にマジックで大きく店名を書いて壁に貼り、2日間限定の駄菓子屋がいよいよ開店しました。

「いらっしゃいませ」と旭が声を掛けると来場者は「おや」と足を止め、懐かしさともの珍しさも相まってお店に寄ってくれました。店主は皆に見られながらの接客で、慣れない電卓で代金を計算します。時折「おかしな」計算をして間違える事もありましたが、番頭役のママのリードもあって値段も覚えるようにし、次第に手際よく商品を買物袋に詰め、お渡しできるようになりました。

意外だったのはお店で一番の高額商品の「ソフトグライダー(100円)」が早々に売り切れたこと。本人は「こんなことならもっと仕入れとくべきやった。」と悔やんでました。反対に売れると踏んで仕入れた商品が売れなかったり、ポップを工夫すると売れだした品もあり不思議に思ったそうです。それからどこで覚えたのでしょうか。沢山購入したお客様にはガムをサービスしてました。中々心得ています。それともう一つ。ヨーグルには小さな木の匙がつきますが、旭は袋に詰める際にこの匙をセロテープで蓋に貼ってあげてました。ひと手間かかるのですが、お客様はじーっと彼のすることを見て待っています。覚束なくも気持ちがこもった丁寧な応対が伝わっているようで、何とも微笑ましく、彼のお客様への姿勢に感心したものです。この日は山口新聞の取材も受けて、翌日「駄菓子屋店主は小学生」という見出しで大きく掲載して頂きました。明るいニュースに祖父母も喜び、この記事をSNSで知った弟家族が久留米から応援に駆けつけてくれるなど、思わぬ反響に私たちも驚き、嬉しくなりました。お陰様で見事完売です。気になる彼のお小遣いはというと…本が何冊か購入できそうな額で大満足のご様子。後日お世話になった方々には完売御礼の手紙を書いていたっけ。商売は人なり。私も見習いたいと思います。



  
昇より





















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