2019.7.



 6 月末をもってママが COMEON!FM を退職しました。彼女はこれまで朝の情報番組 「海峡朝焼けスタジオ」のメインパーソナリティを 21 年にわたって務め、「おは ようございます。米倉奈津子です」の一声と共に、下関に新しい朝を届けてくれ ました。放送最終日は私と旭も番組を聴いていましたが、いつもと変わらず話す 彼女の声から様々な事が思い出されました。

 開局からの同期だった私たちはこの番組を担当することになり、当時のスタッ フたちと一緒に「今、下関に必要なことは何だろう」という視点に立って沢山の 議論や取材を重ね、その日のニュースを取捨選択し、責任感と使命感をもって番 組制作をしていました。幼稚園・保育園児たちの元気なタイトルコールの収録や 歩きながら町の魅力を伝える取材をしたり、佐々部清監督の代表作「チルソクの 夏」を応援したことや、大好きだった舘ひろしさんにそっと手を握られインタビ ューできなかった一幕はご愛敬ですが、熱があるにもかかわらず朝早く出社して、 急いで新聞のコピーをしながら横倒しに倒れたこともありました。この「朝焼け」 は二人が出会い、経験不足ながらも切磋琢磨してお互いを高め、苦労しながら一 緒に創り上げた番組です。私の傍で制作意図を理解し、言葉にして届けてくれた のは彼女でした。たくさんの人と出会い、お話に耳を傾け、誠実に、一生懸命下 関の魅力を語る彼女からは、誰かのために何かを届けようとする意志と故郷への 愛情を感じます。

 その姿勢は最終日も変わることなく、お世話になったこれまでの感謝を口にし ていましたが、最後の 2 分間で感極まり彼女が涙したことを私は忘れません。傍 の旭がペンを持ってきて「ママ、お疲れさま。21 年間がんばってくれてありがと う!」と記し、花束を抱えて帰ってきたママに手渡しました。「朝焼け」から命名 した旭には、きっと伝わっていると思います。だって、あさひはのぼるだから。



  
昇より





















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