2015.05.



 夜更かしして読書していると旭が「耳が痛い」と言って起きてきた。
泣きじゃくる旭の顔を見ながら
「今週から始まったスイミングのときかな?」
「さっき風呂で潜っていたから?」
などと考えても深夜なのでどうすることもできない。
翌日、まだ痛がるので病院に連れて行くことにした。
休日のこの日は清末の「でんでんむしクリニック」が当番医だった。
ちょっと遠い。
ママと相談して旭の気分が変わらないうちにすぐに出発した。
待合室に入ると至る所にでんでんむしの絵が飾ってある。
よく見ると「ほてはまたかし」さんの絵だった。
膝に乗せた旭は痛い事されるのではないかと気もそぞろなのがお尻から伝わってきたので、「かたつむり」の歌を歌って励ましてやったが気休めにもならなかった。
診察室に入り泣き始めた旭をなだめながら器具を耳につけて診てもらうと、先生から「耳垢が溜まりすぎて中が見えない」と言われた。
モニターで確認すると先生の仰る通り、耳垢がたくさん詰まっていた。
そういえば思い当たる節がある。
何かの本で「乳幼児の頃はそんなに耳掃除をしなくていいですよ」と書いてあったことを。
それ以来旭の耳を掃除した記憶なし。
だから旭が5歳になるまでこの間ずっとこの夫婦は本の言いつけをちゃんと守っていたのでした。
「子どもの耳ってそんなに掃除しなくてもいいんじゃなかったっけ?」と呑気なことを話していると、先生に「あら、困ったわね」といった顔をされ看護師さんに笑われてしまった。
「薬品を使ってきれいにしましょう」と指示され耳の中に液体を注入。
綿で耳栓して耳たぶをほぐしながら薬品が行きわたるようにする。
かれこれ20分その動作を繰り返す。
それから旭が動かないようにタオルです巻き状態にして台に寝かし先生が耳の中にピンセットのようなものを入れると…なんてことでしょう!
ワインのコルクのような耳垢が固まって出てきたではありませんか!
何年物? びっくりしました。

 結局、中耳炎と診断されました。
旭に「パパとママの声良く聞こえる?」と聞くとコクッと頷きます。
その無邪気な姿に、心を痛め気まりの悪い顔をした「6年物」の夫婦がいるのでした。
ゴメンね旭。
昇より

















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