2014.06.



  「大阪−札幌を結ぶ国内最長路線の寝台特急トワイライトエクスプレスが来春限りの引退を発表しました。」
朝FMをつけると、このニュースをママが伝えていました。
食事中だった旭がきょとんとした顔を向け「トワイライトなくなるん?」と聞いてきたので「そうだよ」と応えると、旭は急に泣き出しました。

 実はこのトワイライトエクスプレスは今年の1月に下関駅にやって来ていました。
特別ツアーの一環だったらしく、ママが旭に内緒で下関駅に連れて行き見せてあげていたのです。
「暮れなずむ日本海に天使が舞う」ヘッドマークの電車が9番ホームに現れると旭は大興奮して、記念写真を撮ろうとするママの話も聞かず電車に夢中だったそうです。
それ以来「鉄道図鑑」でトワイライトが出てくるたびに「あっくんのみたやつ」と言っていました。
そんな彼にとってこのニュースはつらいことです。
「なんでなくなるん。あっくんかなしい。」と訴えかけてきました。
「たくさん働いて年を取ったから引退するんだよ」と慰めてもなかなか泣き止みません。
少し落ち着いてきたところで「下関駅で見られて良かったね」と声を掛けると、こっくり頷きました。
それからおもむろに画用紙とクレヨンを取り出して「あっくんトワイライトに手紙書く。」と言い、ありがとうという字と電車の絵を描きました。
書きながら「トワイライトがなくなってもカシオペアがあるよね、パパ」と聞いてくる姿に何と応えてあげたらいいか困ってしまいました。

 「パパ、トワイライトはどこにおるん?」と聞いてきたので「あっちだよ」と東の方を指差すと旭はベランダまで行き、関門橋の向こうから昇る朝陽(旭)に向かって「トワイライトありがとう!!」と叫び始めました。
何度も何度も言っているうちにまた悲しくなったのでしょう。
「パパも一緒に言って」と泣きながらお願いしてくるので、私もその姿がけなげでなりませんでしたから、一緒に叫んでやりました。
「トワイライトありがとう!!」と・・・

 2014年5月29日午前7時20分頃のデキゴトです。
昇より

















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