2012.02.



 幼い頃美少女コンテストに優勝するも、モデルになることを親に反対され、自分の夢をあきらめた女性が2人の娘の母親になり、その夢を子供に託しコンテストに出場させるイギリスの母子家庭のドキュメントを見た。
高い投資で借金をしてまで娘の優勝を願う母親の姿は、娘に依存するあまり歯止めが利かなくなったようで、見ていて痛々しく余り同情できなかった。

 先日、ピアニストの岡田将さんにインタビューしたときのこと。
岡田さんはリスト国際ピアノコンクールで日本人初の優勝を果たした世界的にも有名な音楽家で、この日はワークショップと講演を兼ねて下関を訪れていた。
聞けば3歳の時自分からピアノを習いたいと望んで始めたそうで、才能を伸ばすには、常に新鮮な気持ちを持って色々な体験を重ねることが大事とおっしゃっていた。
この日は中学2年の女の子と小学2年の男の子が公開レッスンという形で、岡田さんに曲の時代背景や音符の意図、表現方法などを教わっていた。
会場にはご家族の姿も見える。
皆真剣に岡田さんの言葉に耳を傾けている。
場内は静まり返っていた。
私は、子供達が音楽に向き合っている姿勢に圧倒され、限られた時間の中で音色が変わっていくことに感動した。
レッスンを受けた男の子の喜ぶ顔を見てそれが息子と重なり、きちんとした環境を整え、しっかりした指導のもと才能を伸ばしてやりたい、子供の夢を叶えてやりたいという気持ちが芽生え始めていることに驚いた。
イギリスの親子の顔が目に浮かぶ・・・お母さんもこんな気持ちだったのかな。
そういえば岡田さんは
「でも必ずしもうまい人が優れているとは限りません。運も必要です。」
きっぱりとおっしゃった。

 息子は今は歌が好き。
どんぐりころころや忍たま、アンパンマンの他マイケルのDVDを観て無邪気に踊る。
いささか先走り気味の父親だが、子供が「THIS IS IT(そうこれ!)」というものに出会えることを楽しみにしたい。
親バカちゃんでしたね。
昇より



















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