2012.01.



 ラジオの仕事は朝が早い。
7時の生放送の為、夫婦共々早朝出社している。
だから「お子さんは?」とよく聞かれる。
旭は近所に住む両家の両親にお願いして面倒を見てもらっている。
食事や着替えのお世話はもとより、遊び相手になり散歩のお供をして出掛けては、たんぽぽや小石取りに夢中な孫を根気強く待つこともしばしば。
時には手拍子に合わせて歌い、踊ってやったりもする。
「きゃっきゃ、きゃっきゃ笑うと嬉しゅうてねえ。」
「この子はよくしゃべる。誰に似たんやろ」
お迎えに行った時にそんな日頃の旭の生活ぶりを一緒に話すひとときは楽しい。

 こんな生活を一年近く続けている。それまでには紆余曲折があった。
ママの職場復帰に伴い、共働きになったら旭をどこに預けるか二人で話し合った。
保育園に預ける? どこがいい?
朝が早いし仕事も不規則だよ。
24時間の託児所に旭を預けることも忍びないし。
職場環境や経済面など考えると天秤のように気持ちが揺れ、中々結論が出なかった。
思い切って私が育児休暇を取るべきか?
そんな事を考えたりもした。
横山さんにお話すると
「ご両親に相談してごらん。力になってくれるわよ。
 今しか受けることのできない愛情だってあるんだから」
とおっしゃた。

 そういえば、先日こんなことがあった。
一里山公園に行った時、旭がたんぽぽの綿毛を摘み、空に向かってふうっと吹く姿を見た。
「あれ? こんなこと教えたかねえ?」
ママに聞くと、
「お義母さんが旭くんを散歩に連れてった時に教えてあげたんだって。
 おじいちゃんやおばあちゃんと過ごす時間が長い旭くんは、私たちの知らないうちに色んな事経験してるのね。」
私はその様子をカメラで撮り、母の誕生日にプレゼントしたデジタルフォトフレームの中に収めた。

 だからその写真は、山中の居間に飾ってある。
昇より



















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